勝てない『アイツ』

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絶対にこの『ボタン』存在を知られる 訳にはいかねぇ… 万が一敵地でこの『ボタン』を押して 奇行に走ったとあれば味方の戦意は 急降下。 いや、それだけじゃねぇ…俺が 今の今まで築き上げてきた地位も名誉も 全部パーになっちまう! そうなれば最強の男への道が 一気に遠退く事にもなるだろう。 それだけは何としてでも避けねば… 「おい、成宮ァ!!!」 現れたのは柳川学園の番長にして 関西1の男…久我龍臣(クガタツオミ) 「やっとオメーと喧嘩出来るな。 楽しみで楽しみで仕方ねぇよ」 目をギラギラ輝かせながら大衆の 先頭へと歩みを進める。 啖呵切ってるつもりかコイツ? まぁここはスマートに黙らせるとしよう。 「お前らなんぞ俺らの通過点に過ぎねぇんだわ。 砂利がイキがったところで散らされるのがオチだろーなぁ」 俺も先頭へ出ると久我は更にこちらに 向かって歩いてくる。 「ろくに統率も取れねぇカス校が 吠えるんじゃねーよ」 「仲良し学園よりかは断然マシだがなぁ」 「その仲良し学園に消される気分 味あわせてやるよ」 「最低10分はもってくれよ。でなきゃ 終わった後に自慢も出来なくなっちまうからよぉ」 ザッ! 俺が言い終わると同時に二人の距離は 10cmにも満たない所まで迫っていた。
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