先輩がどんな人なのか調べるうちに、気付いた。

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とある高校の、図書室。 豊富な知識を揃え、無限の探求心を満たし、時間の隙間を埋める。 学生の知識欲を満たす為の部屋だ。 しかしその奥の奥に、秘密の部屋があったなら。 それは知識の脱け殻で、探求し尽くされた、紙屑同然の束を捨てる場所。 第二図書室とは、そんな……本の墓場だ。 いつ来ても、いつ見ても薄暗く、湿った空気が肌を撫で、体の、いや心の芯を否応なく冷やされる。 まるで誰かのお墓の中に入ったような、まさに今、生きたまま墓の主にされてしまいそうな、妙な緊迫感が無意識にごくりと喉を鳴らさせた。 「……あら、珍しいわね。呼んでもいないのに来るなんて」 ある意味この場所の主である高校三年生女子の先輩は、一見すると薄気味悪いこの部屋に、おしゃれなテーブルセットを設置した張本人だ。そのテーブルセットでお茶を楽しみながら、ページの抜けた本をめくっている。 一見すると薄気味悪い、というか何度見ても何度来ても僕にとっては気味悪いし、二度三度と足を踏み入れる事になるとは思いもしなかった。 「そんなに私と二人きりになりたかったのかしら」 なんて自惚れた事を先輩は平気な顔で言う。
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