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まぁ、その自惚れも、あながち外れてはいないのは僕も認めるところだ。
先輩は、学校でも一目おかれる美人で、注目の的だ。
陽の光を知らない透き通るような白い肌とか、闇夜に濡れる漆黒の髪だとか、誰も知らないプライベートだとかなんだかんだ言われて、この先輩と二人きりになるのは至難の技だ。
……地上ならば。
この第二図書室の場所は、多くの生徒は存在すら知らない。僕だってたまたま見付けたのだ。それからは事ある毎にこっちの図書室に呼び出され、ふたりで顔を付き合わせている。
僕が入学して間もない頃、この部屋を見付けた事を先輩に知られてしまった。廊下でぶつかった時に、この部屋のにおいがしたからとタックルされて、唇まで奪われた。
……先輩の細い手足はきっと極度の拒食症によるものだとか、儚く美しいその手指は箸より重いものは持てないのだとか言うやつらがいるけど、僕はこの先輩にタックルされ、顔を固定され、唇まで奪われている。
力と運動神経は、人並み以上にあるぞ、この人。
そして、最近の厨二病の仲間なんだろうか、発言が時々おかしい。
"君に私をころしてほしいのよ"
とか言っちゃう人だ。
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