先輩がどんな人なのか調べるうちに、気付いた。

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先輩と向かい合わせになるように、テーブルセットの椅子に腰かける。 先輩はいつも入り口から見て左側に座るので、僕はその正面、右に図書室の奥が広がるように座る。 どっちに座っても同じようなものだけど、入り口付近ですら薄暗いうえ、第二図書室には窓の類いがない為、どっちを見ても暗闇しかない。 のっそりと、ゆっくりと何かがうごめいているような、そんな純粋な恐怖心を煽られる。 「はい、お茶」 先輩お気に入りの携帯マグから注がれたのは、少し酸味のある香りのお茶だった。酸味といっても鼻につくような嫌な感じじゃなく、爽やかな柑橘系の香りだ。 「ここじゃなきゃもっと美味しく感じたろうに……」 「まぁ。この私と二人きりでお茶しておきながら、贅沢ね」 自意識過剰……いや、確かにそうだけど。 お茶をすすると人肌より少し温かいくらいの温度で、舌にすーっと染み込み、お腹でじんわりと馴染む。そして爽やかな香りに、思わず一息つきたくなる心地よさだった。 「今日のお茶は新作よ。ここはいつでも肌寒いけど、熱いお茶ばかりなのも芸がないでしょ? どうかしら、おいしい?」 さっきの台詞を取り消したくなった。
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