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ー…
「お嬢様朝ですよ。新学期早々に遅刻する気ですか?」
「んん…」
「琴葉様、せっかくいれた紅茶も冷めてしまいます」
「…あと3時間…」
「お嬢様…普通そこは、あと5分、って言うんですよ。何ですかその包み隠さない本音は」
大和はそう言うと私が被っていた布団を奪ってしまった。
う…寒い…眩しい…。
私は仕方なく起き上がりまだ開かない目を擦った。
「さ、顔を洗って早く制服に着替えて下さい」
「んー」
目を開くときっちり髪型を決めて、きっちりスーツを着こなした大和の姿が。
黒髪で、少し童顔だけど背が高くて、見た目は爽やかなイケメンに違いないと思う。
でもこいつの欠点は致命的だ。
「ところでお嬢様、私僭越ながら新学期に相応しいお召し物をご用意させていただきました。はい、どん!」
「…は…?」
そう言ってやけに高いテンションで差し出されたのは…
ふりっふりのレースたっぷり、おまけに透け素材の真っ白な下着だった。
「これを是非!!新学期といえば純情の白!!そしてポイントはこの素材でですね…!」
「誰が着るかっ!!また勝手にそんなもの買ってきて…!!」
「えぇーなんでですか!絶対似合いますって!一回着て見せてください!!」
「ふざけんなこの変態スケベ!!」
「けち…」
毎朝こんなことを繰り返す日々だ。
どうしてこんな変態が執事になれたのか、未だに私には理解できない。
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