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「そうなのか?」
「さあね。・・・よし、これでよし。あとは取りつけて、と。」
悟浄は修理したパネルを持って外に出た。車の上に上がったのか、頭上で音がし始める。
「三蔵。」
「ん?」
「ここらって岩場なんだな。」
悟空が外をみながら言った。
「ああ、所々洞窟のような穴が見えたよ。」
「中に何かあるかな?」
「何かって?」
「宝とか。」
悟空が目を輝かせていた。
「有るかもしんないし、無いかもしんない。」
「行かね?」
「勝手に行け!」
「一緒に行こ?」
「一人で行け!」
「寂しいじゃん。」
「なら行くな。」
「冒険したいじゃん。」
「なら一人で行け!」
そのうち悟空が三蔵にすがり着いた。
「お願い、一緒に行って?」
「めんど臭い!八戒と行け!」
「えー、あいつはなぁー。」
「だったら行くな。」
悟空は暫く考える。
「仕方ない、そんなに鈴ちゃんと一緒にいたいのかよ・・・。分かりましたよ、八戒、行こうぜ。悟浄にも声、駆けてよ。」
悟空と八戒は出ていった。
「こんなとこに宝なんて有るわけ無いだろ。」
三蔵はソファーに座る。
「この辺の土地に詳しいんですか?」
「まあ、昔この辺に来たことがあんだ。もう十五年も前のことだけどな。」
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