第0話:始まり

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「砂の中から掘り出した。」 「掘り出したって・・・。」 「この子、人間じゃないね。」 悟浄が女の子をまじまじ見ながら言った。 「やっぱり?」 「うん、かなり高性能に出来てるけどアンドロイドだね。」 アンドロイド、早い話がロボットだ。人の姿をしていて仕事を手伝ったり、戦争の兵隊にしたりと幅広く使われる。 「町に主人がいたのかな?」 「だろうな。あの町も最近つぶれたみたいだし。」 「ん・・・。」 女の子が目を覚ました。 「目が覚めた?」 三蔵が声をかける。 「おぉ、さすがロリコン、手が早い。」 悟空は三蔵に殴られた。 「あ、あの・・・、ここは?」 「私達の車の中だよ。」 「ま、町はどうなりました!?」 「残念だけど、誰もいなくなっていたよ。」 女の子が悲しい顔をした。 「えっと、君、名前は?」 「あ、あたしは鈴って呼ばれてました。」 「鈴ちゃんね、私は三蔵、と言ってもあだ名だけどね。」 「あだ・・・名?」 「町で何があったか教えてくれる?」 「はい、ずっと寝ていたからどれくらい前なのかは分かりませんが、嵐が来たあと、砂賊(砂漠の盗賊)に村が襲われたんです。」 「嵐、確か1週間前に見たな。そこから考えるに4日くらい前か。」
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