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「砂の中から掘り出した。」
「掘り出したって・・・。」
「この子、人間じゃないね。」
悟浄が女の子をまじまじ見ながら言った。
「やっぱり?」
「うん、かなり高性能に出来てるけどアンドロイドだね。」
アンドロイド、早い話がロボットだ。人の姿をしていて仕事を手伝ったり、戦争の兵隊にしたりと幅広く使われる。
「町に主人がいたのかな?」
「だろうな。あの町も最近つぶれたみたいだし。」
「ん・・・。」
女の子が目を覚ました。
「目が覚めた?」
三蔵が声をかける。
「おぉ、さすがロリコン、手が早い。」
悟空は三蔵に殴られた。
「あ、あの・・・、ここは?」
「私達の車の中だよ。」
「ま、町はどうなりました!?」
「残念だけど、誰もいなくなっていたよ。」
女の子が悲しい顔をした。
「えっと、君、名前は?」
「あ、あたしは鈴って呼ばれてました。」
「鈴ちゃんね、私は三蔵、と言ってもあだ名だけどね。」
「あだ・・・名?」
「町で何があったか教えてくれる?」
「はい、ずっと寝ていたからどれくらい前なのかは分かりませんが、嵐が来たあと、砂賊(砂漠の盗賊)に村が襲われたんです。」
「嵐、確か1週間前に見たな。そこから考えるに4日くらい前か。」
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