なくしたピアス

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目から溢れそうになった水分を、彼のシャツの背中で拭う。 ぎゅう、と微かに香水の漂う生地を握りしめると、赤信号でブレーキをかけている手と反対の手が後ろに伸びてきて、ぽんと肩の辺りに触れた。 このまましばらく信号が変わらないでほしいと願った。
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