第1章

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幽霊たちを無視していても声は聞こえるため、普通の子たちの声と幽霊たちの声が私には区別がつかなくなっていた。 呼びかけられて振り返ると幽霊だったり、幽霊だと思って無視していると友達の声だったりした。そんな私を気味悪がって私の周りから友達は居なくなっていった。 でも、私はそれでもお母さんの言いつけを守っていた。友達はいなかったけれど、勉強と運動を頑張っていた私はいじめられたり無視されてたりすることはなかった。 クラスで浮いている私がそういう対象にされない為に大事なことは寄せ付けないことだった。私にちょっかいだそうとうする人たちを一刀で切り捨てる。 相手にされない。しても自分が怪我をすると最初に思い込ませるのが肝心だった。 しかし、そんなことをしていれば当然友達はできない。それでも私は構わないと思っていた。 お母さんが再婚してお父さんと一緒に暮らし始めてすぐ言われたことがある。 「四季さんはあまり友達がいませんね」 私は思わずお父さんに平手打ちをしていた。
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