第1章

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「ちょっとすっきりした顔をしていますね」 そうだろうか? 自分では違いがあまりわからない。 「私自身も意外でしたね」 首をかしげているので苦笑する。 「私はもっと泣くか。まったく泣かないかのどちらかだと思っていたんですよね」 「どっちも悪いことではないと思いますよ。よく泣けない事は悪いことみたいに思う人は多いですけど。泣けないことが悪いとは思いませんよ。そんなことで逆に負担になってほしくないと思いますね」 「そうですねぇ」 青空を見上げながら答える。そしてふと思ったので聞いてみる。 「もしかして実体験ですか?」 「はは」 男の子は答えないので。私もそれ以上は聞くことはしない。
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