第1章

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同じことをお父さんに言ったことがある。お父さんはいつものように困ったような笑顔を浮かべながら言った。 「ゆかりは四季さんの事好きすぎるからなぁ」 私の頭に手を乗せて続ける。 「まぁ、無理に甘える必要もないだろうし、四季さんのしたいようにすればいいじゃないですか? あ、ゆかりには秘密ですよ。そんなこと四季さんに言ったと知られたら俺が叱られてしまいますから。何せ、昨日ゆかりに四季さんが私にわがままを言わない。嫌われてるのかな? って相談されたばかりですから」 子供の用に笑って口に人差し指を当てる。 「結構前のことなのに意外と覚えているものですね」 一人でつぶやいた。誰も答えてくれる人はいない。 葬儀場の廊下で一人背中を壁に預けていた私は小さく息を吐いた。
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