第1章

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お父さんが亡くなったのを知ったのは今朝のことだった。 昨日までお父さんが死ぬことなんてまったく考えてもいなかった。 全寮制の中学に入ったことで最近は会う機会も減っていた。 全寮制の学校に入ることに猛反対していたお母さんを説得してくれたのもお父さんでしたっけ? ふとそんなことを思い出す。 「いけませんね。思考があっちこっちに飛んでいます。やっぱり私も同様しているんでしょうね」 ひとり言が増えているのも動揺のせいだろうとあたりをつける。 なんだったか。ああ、そうだ。お父さんが病気だったのは私はまったく知らなかった。 夏休みに帰ったときは元気そうにカウンターでコーヒーを入れてくれていたのだ。 体調を崩し始めたのは二学期に入ってからだった。 謎の高熱を繰り返しだしていたらしい。しかし、やっかいだったのはその高熱は数日ですぐに治っていたらしいのだ。 だから、お父さんもお母さんも私に心配をかけないように私には黙っていたらしい。 実際、二学期に入ってから学校でいろいろあって実家の事を思い出すことはほとんどなかったから、その気遣いは嬉しかった。 でも、死んでしまっては意味がない。
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