夕暮れの来訪者

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コンコン・・・ 暖かい春の日差しが沈む頃。 誰かが店の扉をノックした。 まあ間違いなく客だろうけど。 「今度は男かな?女かな? ワタシの好みだといいけど」 読みかけの本にしおりを挟んで本棚に戻し、新しい出会いにワクワクしながら玄関に向かう。 人間は、とても面白い。 色々なモノに固執するクセに、その反面大切なモノを"なくしたい"と願いもする。 思い出だったり、感情だったり、恋人や家族だったり、地位や名誉だったり。 ここは"なくし屋" 何かを、なくしたい人間が訪れる場所。
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