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返事をしない美佳に克巳は振り返りテーブルの椅子に座って頭を抱えている美佳を見つめた。
克巳は美佳に近づき『もしかして俺の風邪がうつっちゃったか』と言って美佳の肩に触れた。
美佳は顔をあげ克巳を見つめると『本当に私が克巳の妻になっていいの?』と涙を流しながら美佳が言った。
『当たり前だろ、20歳になったら結婚しよう』
克巳は美佳を抱き締めその後、唇を重ねた。
それから月日は流れ20歳になった克巳と美佳は教会で店のホスト達と雅と互いの両親に祝福されながら結婚式をあげ克巳と美佳は夫婦となった。
そして美佳は妊娠した。
『美佳、暫く仕事を休もうか』
『大丈夫だから克巳は仕事に行って、何かあったら克巳に電話をかけるから』
『約束だぞ』
『うん』
『行ってきます』
『行ってらっしゃい』
口づけを交わすと美佳は出掛けていく克巳を見送った。
その後、美佳は鞄を持って外に出るとドアを閉め鍵をかけると歩き始めた。
『何がいいかな…』
悩みながら歩いていた美佳は背後から声をかけられた。
『美佳さん』
『……』
美佳は足を止め振り返った。
『あなたは…』
『お久しぶりです』
『お久しぶりです』
『少し話できますか?』
『えぇ…喫茶店に行きましょう』
美佳は明夫と共に近くの喫茶店に行き中に入った。
そして美佳と明夫は向かい合って椅子に座った。
『いらっしゃいませ』
店員が現れた。
『私は紅茶で』
『俺は珈琲で』
『かしこまりました』
店員はその場を離れていった。
『克巳のことで話があるんじゃありませんか』
『妊娠したんですね…』
『……』
『どちらかわかってるんですか?』
『男の子です』
美佳が答えると店員が近づいてきた。
『お待たせしました』
店員は紅茶を美佳の前に置き珈琲を明夫の前に置いた。
そして店員はその場を離れていった。
明夫は珈琲を一口のみ口を開いた。
『俺は未来から来ました』
『冗談を言わないでください』
美佳は紅茶を飲んだ。
『証拠を見せます』
明夫は裏にしたまま写真を美佳の前に置いた。
美佳は写真を掴み表にすると見て驚いた。
『私と克巳とあなた…一緒にうつってる』
『未来での俺とあなたは友達です』
『私とあなたが友達…』
美佳は写真を見つめた。
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