未来から来た恋人と息子

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幼い頃から仲良しの克巳と美佳は高校も一緒に通っていた。 それから月日は流れ高校卒業式の時、克巳は美佳に告白をした。 『美佳、俺でよかったら結婚しないか』 『いいに決まってるでしょ』 『美佳、愛してる』 『私もよ』 美佳と克巳は口づけを交わした。 その後、克巳と美佳は互いの両親を克巳と美佳が暮らすアパートに呼んだ。 『父さんと母さんとおじさんとおばさん、大事な話があるから座ってください』 克巳と美佳は隣同士で座った。 両親達は無言のまま座布団に座った。 『話って何だ』 『俺達、結婚しようと思ってる、父さん達に認めて貰いたいんだ…お願いします』 『お願いします』 克巳と美佳は座ったまま頭をさげた。 『この時がとうとう来たか』 『そうですね』 克巳の父親が言うと美佳の父親が答えた。 『……』 克巳と美佳は顔をあげ両親達に目を向けた。 『父さん達はお前達の結婚に反対なんかしないよ』 克巳の父親が言うと克巳の母親と美佳の両親がにこやかな顔で頷いた。 『ありがとう』 『ありがとう』 美佳は嬉し涙を流した。 『美佳』 克巳は美佳を抱き寄せた。 その夜、克巳と美佳は互いの両親達と食事をした。 『一杯どうですか?』 『いただきます』 父親達は酒を飲み母親達と美佳は食事をしながら結婚式の話をした。 『…先に風呂に入ってくるかな』 克巳はダイニングを離れ浴室に行った。 ー浴室の中ー 克巳は歌をうたいながら身体を洗いシャワーを浴びた。 それから暫くして美佳が声をかけてきた。 『克巳』 『何だ…』 『お父さん達、帰るって』 『あぁ…』 浴室のドアが開くと腰にバスタオルを巻いて克巳が出てきた。 『美佳、お母さん達、帰るわよ』 玄関先から美佳の母親が叫んだ。 『今、行くから待って』 美佳は克巳の手を掴み玄関に行った。 『その格好は何だ』 『シャワーを浴びてたんだ、仕方ないだろ』 『克巳君、美佳、結婚式でね』 美佳の母親が言った。 『はい』 『うん…気を付けてね』 克巳と美佳は出ていく互いの両親を見送った。 『美佳、ベットに行こう』 『うん』 美佳は頬を赤らめながら克巳を見た。 克巳は美佳を抱きかかえ寝室に行った。
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