未来から来た恋人と息子

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『ああ…』 『お前の身体は最高だ』 『激しく揺らしたら、もうダメ…ああ…』 『克巳』 『ああ…』 克巳と雅は激しく身体を重ね感じるとぐったりとなった。 『……』 『克巳の身体は最高だな』 『身体を拭くからどけよ』 『……』 雅は克巳から離れズボンを整えた。 克巳は身体を起こし雅に目を向け『濡れタオルを持ってきてくれ』と言った。 『わかった』 鞄の中からタオルを取り出すと雅は部屋の中にある洗面台に行きタオルを水に濡らし絞った。 そして雅は克巳に近づきタオルを差し出した。 克巳はタオルを受け取り身体を拭き始めた。 『……』 『克巳』 雅は克巳の身体に抱きつきながらキスをした。 『やめろ』 克巳は雅を払い除けソファーから離れると下着と衣服を着始めた。 雅はソファーに座り克巳を見つめた。 着替えが終わると克巳は床に落ちている写真を掴み破るとゴミ箱に捨てた。 『不倫の関係はこれで終わりだ』 克巳は鍵をあけドアを開くと社長室を出てドアを閉めた。 『克巳さん』 『ご指名ですか?』 『今日は早めに帰って休んでください』 『どうしてそんなことを』 『いいから帰りなさい』 『わかりました…帰ります』 『お疲れさま』 『お疲れさまでした』 男性に頭を下げると克巳は裏口に行き出ていった。 男性は社長室のドアをノックした。 『どうぞ』 中から雅が返事をすると男性はドアを開き中に入りドアを閉めた。 『ちょっといいかな』 『何だ』 『克巳君のことなんだけど』 男性は雅に近づき隣に座った。 『晃、妬いてるのか』 雅は晃の身体に抱きついた。 『別に妬いてなんかいません』 『嘘つけ』 雅は晃の唇に唇を重ねそのまま倒れ身体を重ねた。 その頃、克巳は家の方に向かわず歩いていた。 それから暫くして背後から手首を掴まれ足を止めた克巳は振り向き明夫を見た。 『……』 『夜の10時までは仕事中だろ、どうしたんだ』 『あんたには関係ないだろ、離せよ』 『……』 明夫は克巳の手首を掴んだまま廃墟ビルがある方に歩き始めた。 『どこに行くんだよ』 『誰もいない場所だ』 『俺は行かない、離せって』 克巳は足を止め明夫の手を払った。 『いいから来い』 明夫は再び克巳の手首を掴んだ。 その時、見回り中の警察が近づいてきた。
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