未来から来た恋人と息子

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3分後、美佳は携帯で連絡を待ってますと克巳にメールを送った。 『克巳…』 美佳は携帯を握りしめながら克巳からの連絡を待った。 ー廃墟ビル、ベットがある部屋ー 克巳の携帯がメール受信の音を鳴らし明夫は目を覚ました。 『何の音だ?』 克巳を起こさないようにベットからおりた明夫は部屋を出て克巳が衣服を脱いだ部屋に行った。 そして明夫は衣服を触りポケットから携帯を取り出した。 『携帯が鳴ったのか』 明夫はメール受信のボタンを押し美佳からのメールを読んだ。 『連絡を待ってます…美佳から…』 美佳からのメールを消去すると明夫は携帯をポケットに入れ衣服と下着を持って克巳の元に行った。 『克巳、起きてたのか』 明夫はベットに近づき下着と衣服を克巳に渡した。 『どこに行ってたんだ』 『トイレに行ってたんだ』 『……』 克巳はベットからおり下着と衣服に着替え始めた。 『美佳が心配してるだろうから、送るよ』 『……』 克巳は無言のまま明夫に抱きついた。 『最初は俺を避けてたのにどうしたんだ』 『俺にもわからない…明夫に触れてたら落ち着くんだ』 『今日、仕事を休めないか?』 『ちょっと待って、晃さんに聞いてみる』 克巳はポケットから携帯を取りだし晃に電話をかけた。 『もしもし』 『もしもし晃さん、克巳ですが』 『どうしました?』 『妻が具合が悪くて仕事を休みたいんですが』 『わかりました、雅には俺から言っときます』 『ありがとうございます…』 電話を切ると克巳は携帯をポケットに入れた。 『嘘を言って大丈夫か』 『ばれたら正直に言うよ』 『温泉に行かないか』 『今から?』 『あぁ』 『わかった』 克巳と明夫は廃墟ビルを出ていき歩きながら温泉を探し始めた。 ー克巳と美佳の家ー 『朝6時…とうとう克巳は帰ってこなかった、電話もないし…もしかして浮気…』 椅子から立ち上がると美佳は出掛けていった。 ー雅の家ー 『克巳が妻の具合が悪いから休むって』 全裸姿の晃は下着と衣服に着替えながらベットで寝ている雅に言った。 『美佳が…』 雅は寝たまま携帯で美佳に電話をかけた。 『もしもし』 『もしもし美佳、俺だ』 『どうしたの?』 『お前さぁ、具合が悪いのか』 『具合なんか悪くないけど』 『やっぱりな』 『やっぱりって何が』 美佳は足を止めた。
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