未来から来た恋人と息子

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『克巳と未来から来た明夫はこういう関係だ』 雅は抱き合ってる克巳と明夫の姿の写真を美佳に差し出した。 『……』 写真を受け取り見た美佳は驚いた。 『驚くよな、男同士で』 雅はソファーに近づき座った。 『いつからなの?』 『さぁ?』 『雅、この写真どうしたの?』 混乱している美佳は椅子から立ち上がった瞬間ふらつき倒れた。 『美佳!』 雅が美佳に近づいた。 その時、『雅、救急車を呼んで』と言って晃は美佳に近づき美佳の身体を仰向けにした。 『美佳…』 『何をしてるんだ、早く救急車を呼ぶんだ』 『…わかった…』 雅は携帯で119に電話をかけた。 『妊娠してるのか…子供に影響がなければいいが』 『10分ぐらいで来るって』 『そうか…』 写真に目を向けた晃は写真を掴み見た。 『晃…』 『これを彼女に見せたのか』 晃は立ち上がり怒った顔で雅を見た。 『…まさか倒れるとは…』 『妊娠してるんだ、子供に影響があったらどうするんだ』 『ごめん…』 雅が謝ったその時、救急隊員が現れ美佳は救急車の中に運ばれた。 『彼女は妊娠してます』 『話は車の中で乗ってください』 隊員は雅と晃を車の中に乗せ救急車を走らせた。 それから暫くして救急車は総合病院に着き美佳は治療室に運ばれた。 『どうしましたか』 先生の問いに晃が答えた。 『話をしてて突然、彼女が興奮して倒れたんです…先生、赤ちゃんは大丈夫でしょうか』 『産婦人科で検査をしてみましょう、お願いします』 『わかりました』 看護婦達は美佳を産婦人科に運んだ。 『雅は克巳に電話をしてきたら』 『そうだな』 雅は携帯が使える場所に行き晃は産婦人科に行った。 『奥様のお名前は?』 『俺は夫じゃありません、俺と一緒にいた彼に訪ねてください』 『その方は?』 『彼女の夫に連絡をしに行ってます』 『そうですか、こられたら教えてください』 『わかりました』 晃が返事をすると看護婦は診察室に入っていった。 『……』 晃は産婦人科、診察室の前で椅子に座った。 その頃、雅は携帯が使える場所で克巳に電話をかけた。 『出ないな、何で出ないんだ』 何度かけても電話にでない克巳に雅はイラつき始めた。
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