未来から来た恋人と息子

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ー温泉旅館の部屋ー 携帯が部屋で鳴る頃、克巳と明夫は温泉に入ってのんびりしていた。 『やっぱり温泉はいいよな…疲れがとれるし…』 『そうだな』 明夫は克巳の身体に触れ始めた。 『やめろって、誰かが来たら…あ…』 『貸しきりだから誰も来ないさ』 明夫は克巳を支えながら大事な部分を克巳のお尻の穴に入れ身体を重ねた。 『ああ…』 『克巳、いきそうだ』 『俺も…』 克巳と明夫は感じ満たされた。 『明夫、出ようか』 『そうだな』 『気持ち悪い』 『大丈夫か』 明夫と克巳は温泉を出て濡れた身体をタオルで拭くと下着と浴衣を着て部屋に戻った。 火照った顔の克巳は畳に座り仰向けで倒れた。 『……』 『大丈夫か、冷たい水を買ってこようか』 『うん…頼む』 『すぐ戻るから待ってろ』 部屋を出ようとした明夫は仲居さんとぶつかった。 『申し訳ございません…』 仲居は明夫に頭を下げた。 『連れが温泉で酔ったみたいで冷たい水を頂けないでしょうか』 『かしこまりました、すぐにお持ちします』 『お願いします』 明夫は部屋の中に入り克巳に近づき座った。 『明夫…』 『今、仲居さんに頼んだから』 明夫はハンカチを持って洗面台に行くと水にハンカチを濡らし克巳に近づくとおでこにハンカチを置いた。 『気持ちがいい』 『そうか…』 『水をお持ちしました』 『はい…』 明夫が返事をすると水が入ったペットボトルを持って仲居が中に入ってきた。 『大丈夫ですか』 『すみません、ありがとうございます』 克巳はハンカチを掴み身体を起こすと仲居からペットボトルを受け取り飲んだ。 『何かありましたら、知らせてください』 『わかりました』 『それでは失礼いたします』 仲居は部屋を出ていった。 『俺のせいだな、ゴメン』 『気にしてないから謝るなよ』 水を飲むと克巳はペットボトルをテーブルの上に置いた。 その時、克巳の携帯が鳴り出した。 克巳は鞄の中から携帯を取りだし通話ボタンを押した。 『もしもし…』 『やっと出たか、今どこにいるんだ』 『知り合いと温泉旅館に来てます』 『知り合いって未来から来た男だろ』 『怒ってますか?』 『今すぐ総合病院に来い』 怒った口調で言うと雅は電話を切った。
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