未来から来た恋人と息子

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『……』 克巳は電話を切り携帯を鞄の中に入れた。 『誰から?』 『雅から』 『何だって?』 『怒った口調で今すぐ総合病院に来いって』 『美佳に何かあったのかもしれないな、衣服に着替えて今から行こう』 明夫は浴衣を脱ぎ衣服に着替え始めた。 『……』 克巳も浴衣を脱ぎ衣服に着替え始めた。 『着替えたか』 『うん』 克巳と明夫は鞄を持って部屋を出ると受付に行きお金を支払いタクシーで総合病院に向かった。 その頃、晃は診察室で先生と話をしていた。 『赤ちゃんは無事に成長してます』 『よかった』 『また倒れられたら困るから、入院してもらいます、いいですね』 『わかりました、夫が来たらそう伝えます』 『入院の手続きがありますので、彼女の旦那様が来られたらお知らせください』 『わかりました』 先生に頭を下げると晃は診察室を出ていき椅子に座っている雅に声をかけた。 『克巳は出たのか』 『あぁ、病院に来いって伝えた』 『また倒れたら困るから入院だって』 『そうか…』 『それでは病室に運びます』 『はい』 晃と雅は美佳を運ぶ看護婦達についていった。 1時間30分後、タクシーは総合病院の前に止まり運転手にお金を支払うと克巳と明夫はタクシーをおり病院の中に入った。 『どこにいるのか聞いてみようか』 克巳は鞄の中から携帯を取りだし雅に電話をかけた。 『もしもし…』 『今、病院についたんだけど、どこにいるんだ』 『産婦人科の病室303号室にいる』 『わかった』 克巳は電話を切り携帯を鞄の中に入れた。 『どこに行けばいいのかわかったのか』 『産婦人科の病室303号室だって』 克巳が言うと明夫は案内板に近づき調べた。 『産婦人科は…3階だな』 『エレベーターで行こ』 克巳と明夫はエレベーターで3階の産婦人科に向かった。 『303号室…』 廊下を歩きながら克巳と明夫は各部屋の前を通り303号室を探した。 『克巳…』 『……』 背後から名前を呼ばれ足を止めた克巳と明夫は振り返り晃を見た。 『晃さんがどうして』 『話はあとです、病室に行きましょう』 晃は克巳と明夫を303号室に連れていった。 ー303号室ー 晃は部屋のドアを開け中に入ると『克巳が来たぞ』と雅に言った。
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