未来から来た恋人と息子

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その時、ドアが開き晃が入ってきた。 雅は振り向き晃に目を向けた。 『開店したのか』 『はい、開店しました』 晃は雅の隣に座った。 雅は携帯をテーブルの上に置き晃の服に手を入れると肌に触れた。 晃は雅の手を掴みやめさせると『今は仕事中だぞ』と言った。 『晃…』 『…はぁ…』 ため息をつくと晃は雅の唇に唇を重ね顔を見つめた。 『これで我慢しろ』 晃はソファーから立ち上がった。 『…晃…』 『仕事に戻るから、お前もちゃんと仕事をしろよ』 晃は社長室を出ていった。 その後、雅は机に近づき椅子に座ると仕事を始めた。 ー廃墟ビルー 『俺も仕事を見つけてお金を稼がないとな』 仕事情報誌を読みながら明夫が言った。 『父さんが働いている店で働かせてもらったら』 『未来に帰ったんじゃなかったのか』 『母さんが出産したら未来に帰るよ』 『そうか…』 『……』 蛍は明夫から仕事情報誌を奪い取った。 『何をするだ』 『面接に行ってみよう』 『蛍君…』 明夫は蛍に腕を掴まれたまま廃墟ビルを出ると克巳が働くホストクラブの店に向かった。 その頃、克巳は女性の相手をしていた。 『晃君って接客とかするの?』 『どうですかね、指名があれば接客するんじゃないんですかね…晃さんをご指名ですか?』 『…はい…』 女性は頬を赤らめながら答えた。 『わかりました、晃さんに言ってきますね』 克巳はソファーから立ち上がった。 『克巳さんをご指名したのにすみません』 『気にしてないので謝らないでください』 女性に微笑むと克巳は晃の元に行った。 『晃さん』 『どうした?』 『俺が接客をしていた女性が晃さんをご指名です』 『俺はホストじゃないから接客は…』 『せっかくご指名が入ったんですよ』 克巳は晃を女性の元に連れていった。 『お待たせしました』 克巳がその場から離れたその時、ドアが開き明夫と蛍が入ってきた。 『明夫!』 克巳は明夫と蛍に近づいた。 『どうしてここに?』 『明夫さんの面接に来ました』 蛍が答えた。 『面接?…』 克巳は明夫を連れて奥に行く蛍を追いかけた。 そして3人は社長室の前で立ち止まった。 蛍はドアをノックし中から返事が聞こえるとドアを開き中に入った。 『蛍君…』 明夫と克巳も中に入った。
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