未来から来た恋人と息子

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バスローブ姿でベットからおりた明夫は『下着と衣服どうするかな…借りるか』と言ってタンスの中から下着と衣服を取りだすとバスローブを脱ぎ下着と衣服を着始めた。 その後、明夫は寝室を出て玄関で待っている克巳の元に行った。 『克巳、下着と衣服を借りたぞ』 『着られた?』 『あぁ、ピッタリだ』 『それじゃあ、行こうか』 克巳と明夫は靴をはき外に出るとドアに鍵をかけ歩き始めた。 歩きながら克巳は明夫の手を握った。 『……』 驚いた明夫は克巳の顔を見つめた。 気配を感じた克巳は正面を向いたまま『何?』と言った。 『…手を握ることなんてしなかったから…』 『未来の俺はどんな男だったんだ?』 『優しい男だったよ』 『……』 克巳は明夫の手を握ったまま足を止めた。 『どうしたんだ』 『未来の俺は明夫を置いて死んじゃったけど、俺は明夫を置いて死んだりしないから』 『克巳…』 『明夫』 見つめ合うと克巳と明夫は口づけを交わした。 その後、克巳と明夫はハンバーガー屋に行きハンバーガーを食べた。 そして克巳と明夫は支払いを済ませハンバーガー屋を出るとホストクラブの店に行った。 ーホストクラブの店ー ドアを開き中に入った克巳と明夫は雅に目を向けた。 『何をしてんだ』『お前達が来るのを待ってたんだ』 『何かあったのか』 『病院から連絡があって美佳が死んだそうだ』 『え…』 克巳と明夫は驚いた。 『晃が病院にいるから…克巳…』 『克巳』 明夫は呆然としている克巳の身体に触れた。 『明夫さん、お願いします』 『はい…克巳、病院に行こ』 明夫は克巳を連れて店を出ると途中でタクシーをひろい総合病院に行った。 その頃、晃は雅から連絡が入り総合病院の入り口で克巳達を待った。 それから暫くしてタクシーが総合病院の前に到着した。 そして後部座席のドアが開き克巳と明夫が現れた。 『克巳』 晃が声をかけると克巳と明夫は晃に目を向け近づいた。 『雅さんから聞きました、美佳さんが死んだって』 『詳しくは聞いてないんだが、とりあえず担当の先生のところに行こう』 『……』 『はい』 ショックで言葉が出ない克巳の代わりに返事をした明夫は克巳を連れて晃と共に担当の先生のところに向かった。
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