未来から来た恋人と息子

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克巳は椅子から立ち上がり『どこに行ってたんだ』と明夫と晃に言った。 『2人きりにしてあげようと思って廊下に出てたんだ』 明夫達が話しているその頃、男性2人は美佳をお棺の中に仰向けのまま入れていた。 そして蓋を閉め男性が口を開いた。 『今から棺を霊柩車の方に運びます』 男性はドアを開き廊下で待っている2人の男性を呼ぶと4人で棺を持ち上げ霊安室を出たその後、克巳達も出て霊柩車の元に向かった。 そして克巳は棺と霊柩車に乗り明夫は晃の車で葬儀社に向かった。 それから暫くして霊柩車と晃が運転する車は葬儀社についた。 家から3人の男性が現れると霊柩車から棺を出し持ち上げると部屋に運んだ。 『お疲れさまでした』 担当女性が後部座席からおりる克巳に言った。 『……』 克巳は少し頭を下げ担当女性を見た。 そこへ明夫と晃が近づいた。 『どうぞ』 担当女性は克巳と明夫と晃を棺がある部屋に連れていった。 ー棺がある畳部屋ー 担当女性と克巳と明夫と晃は靴を脱ぎ畳の上にあがった。 担当女性は座布団を3枚、置き『どうぞ』と言った。 『すみません』 克巳と明夫と晃は座布団に座った。 『葬儀の担当の者が来ますので少しお待ちください』『わかりました』 克巳が返事をすると担当女性はその場から離れていった。 『克巳、お茶、飲むか』 『いらない』 『晃さんは?』 『いる』 晃が返事をすると明夫は急須にお茶を入れその急須にお湯を入れた。 そして明夫はコップにお茶を注ぎ晃にコップを渡した。 『ありがとう』 晃はお茶を飲みコップをテーブルの上に置いた。 『……』 明夫もお茶を飲みコップをテーブルの上に置いたその時、葬儀担当の男性が現れた。 その後、克巳達は葬儀担当の人と葬式やその他のことを相談しながら決めた。 次の日、無事に葬式は行われた。 そして美佳の遺体は焼かれ遺骨になった。 克巳と明夫は晃の運転で家に向かった。 それから暫くして車は美佳と克巳の家の前に止まった。 『ありがとうごさいました』 遺骨を持って克巳と明夫は後部座席からおりた。 『仕事は落ち着いてから出勤すればいいから』 『すみません』 『じゃあ』 晃は車を走らせその場を離れていった。
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