未来から来た恋人と息子

48/114
前へ
/114ページ
次へ
『……』 『どうした眠れないのか?』 雅が問いかけた。 晃は寄り添いながら口を開いた。 『あの2人、大丈夫かな』 『克巳と明夫のことか』 『うん…』 『心配しなくても克巳と明夫なら美佳の死を乗り越えていけるだろう』 『そうですね』 『そんなことより晃、もう一度、愛し合おう』 雅は晃に覆い被さり唇を重ねると身体を重ねた。 それから3日後、克巳と明夫は仕事に出勤した。 『雅、晃さんおはようございます』 克巳と明夫は鍵を開け中に入ろうとしている雅と晃に近づきながら声をかけた。 『出勤して大丈夫なのか』 『明夫が側にいてくれたから大丈夫だ』 中に入った克巳と明夫は控え室に行き雅と晃は社長室に行った。 ー控え室ー 克巳と明夫が衣服を脱ぎスーツに着替えていると次々とホスト達が現れた。 『おはようございます』 『おはようございます』 ホスト達に挨拶をすると克巳と明夫は控え室を出ていき開店の準備を始めた。 その頃、社長室の雅と晃は送られてきた履歴書を見ていた。 『晃、この2人はいけそうじゃないか』 机の椅子に座って履歴書を見ていた雅が口を開いた。 晃は雅に近づき『見せてください』と言って2枚の履歴書を掴み見た。 『どうだ?人気ナンバーワンになりそうじゃないか』 『写真だけじゃなんとも…実物を見てみないと』 『面接してみるか』 『そうですね…あとで連絡してみます』 『開店準備が終わった頃だろ、挨拶に行ってくる』 椅子から立ち上がると雅は社長室を出て行った。 その頃、ホスト達はお喋りをしていた。 そこへ雅が現れ克巳と明夫とホスト達は雅の前に集まった。 『お客様の疲れた心を癒し笑顔で家に帰るように頑張りましょう』 『はい』 ホスト達が返事をすると雅はその場を離れ社長室に向かった。 ーホストクラブ、開店ー 次々とお客が来店し克巳と明夫とホスト達は接客を始めた。 社長室に戻った雅はソファーに座り問いかけた。 『連絡したのか?』 『明日、朝10時に2人とも面接に来ることになった』 『そうか、決まるといいけど』 『そうだな』 晃はドアに近づき社長室を出て行った。 『いらっしゃいませ、克巳です…』 克巳がソファーに座りながら優しく微笑み接客していたその頃、眼鏡をかけた男性が店に向かっていた。
/114ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16人が本棚に入れています
本棚に追加