未来から来た恋人と息子

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『眼鏡をかけたままじゃダメですか?』 『俺の店では眼鏡を禁止にしてるんだ、悪いけど眼鏡をはずしてくれないか』 『……』 男性は眼鏡をはずし雅に目を向けた。 雅と晃は男性の顔を見て驚いた。 『写真の顔と違うから驚きますよね、すみません…履歴の写真は俺の弟です…本当にすみません』 『……』 言葉が出ない雅と晃に男性は問いかけた。 『あの…どうしたんですか?』 『え…いや…』 『名前は嘘じゃないですよね』 晃が口を開いた。 『はい、名前は嘘じゃありません…森見真咲といいます』 『写真を1枚いいですか?』 『…はい…』 森見真咲が返事をすると晃は携帯で森見真咲の写真を撮った。 『明日から出勤してください』 『わかりました』 雅と晃に頭を下げると森見真咲は眼鏡をかけ社長室を出て行った。 そして森見真咲は明夫をぶつかった。 『すみません』 森見真咲は明夫の顔を見て驚いた。 『こちらこそすみません』 明夫は微笑みその場を離れていった。 森見真咲は店を出て歩きながら自分に似た顔の明夫を思っていた。 『あの人、俺に似てたな…』 森見真咲が思っていたその頃、明夫は接客していた。 ー社長室ー 『どうする?』 『どうするって何を…』 『明日、彼が出勤してきたら明夫さんと出会ってしまう』 『もし出会ったら…克巳が…』 雅が悩んでいたその時、ドアをノックする音が聞こえた。 晃はドアに近づきドアを開くと克巳に驚いた。 『克巳さん!』 『驚いた顔をしてどうしたんですか』 『…いや…それより何かようですか』 『雅にご指名が入ったから呼びに来たんです』 『わかりました、克巳さんは仕事に戻ってください』 『はい』 克巳はその場を離れていった。 晃はドアを閉め振り返るとスーツに着替えている雅を見た。 雅は晃に近づき『もう1人の面接者に断りの電話をしといてくれ』と言って社長室を出て行った。 その後、晃は面接者に断りの電話をした。 それから時間が過ぎ店は閉店の時間が来た。 ホスト達は『お疲れさまです』と言い合い控え室に行くと衣服に着替え店を出て行った。 『克巳、明夫、着替えが終わったら社長室に来てくれ』 雅は社長室に行った。
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