ヨコハマデート

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それから1年位、二宮と疎遠になって人づてに近況を聞く程度の関係になっていた。 そんなある日、ふと手帳を見るともうすぐ二宮の誕生日だということに気づいた私は、何気なく誕生日当日にメールを送った。 私からメールなんて迷惑かな。 そんな考えがよぎったけど、二宮は 『覚えててくれてありがと』と返信をくれた。 それを境に、いつしかまた私たちは連絡を取り合うようになって、二人で出かける機会が昔のように増えていった。 そして、現在。 私は二宮と別れて以来、付き合った人もいたけれど長く続かずにいた。 あの頃、勝手に抱いていた恋愛に対する憧れも年齢を重ねるごとに薄れていき、現実的になってしまった。 ドキドキはいらない。 一緒にいて落ち着く人がいい。 いろんなタイプの男性を見た結果、今の私はそこに行きついた。周りの友達もみんな、同じ様な事を口にするようになった。 更に、優花はなぜあんなに良い人を振ったりしたの?と説教までされる始末だった。 その上、私はある事に気づいていた。 常に知り合う男性を、二宮と比べてしまっている事に。 一緒にいても、二宮といた頃のように心から楽しいと思える相手はいなかった。 やっぱり私には、二宮といる事がしっくりくるんじゃないかという考えが頭をもたげる。 だけど、今さら。 第一、二宮はもう私のことなんて何とも思っていないはずだ。 なぜなら、ある時二人で飲んでいた時ににこんな事を言われたからだ。 「片桐とは、友達でいようって決めたんだ」 そう言う二宮の顔は、なぜか晴れ晴れした表情にも見えて、ちょっと悔しかった。 もしかしたら、私が二宮を意識していると気付いてやんわり拒否されたのかも。 そんな風に落ち込んだりもして。 私だけ取り残されて、二宮が遠くへ行ってしまったような気がした。
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