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めがねじゃなきゃ、だめ。ウェリントン。銀縁。黒縁。いろいろあるけど、どれでもいいから、めがねじゃなきゃ、だめなの。めがね屋さんじゃ、だめ。めがね女子でも、だめ。
あたしはメガネ男子しか好きになれない。
いつからなんだろう。あたしは放課後の窓辺の席で、ひらり、と雪が舞うのを、見ていた。
まず、初恋。「初恋」なんて書くとちょっぴり恥ずかしいけどさ。あたしはまだメガネを掛けてなかった。あたしの髪はママが毎日梳いてくれたおかげでさらっさら。
「ゆかちゃん、お姫さまごっこしようよ」
そう言って誘ってくれたのはみいちゃん。あたしは絵本コーナーの隅でひっそり本を読んでいて、最初誘われた時はびっくりした。
「あたしも……いいの?」
あたしはおそるおそる聞いた。だって今まで、「お姫さまごっこ」なんてしたことなかったから。あたしはそのときドキドキしていたんだと思う。
「うん、いいよ」
みいちゃんはにっこり笑って答えた。えくぼに、白い歯並びの良い歯がのぞく。
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