序章

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豪華な装飾があしらわれた部屋の中、小さい女の子とその父親であろう男が向かい合っていた 「なぜだ・・・?なぜ、魔力球に反応がないのだ・・・?」 男は厳しい表情で少女が持つ両手に収まるほどの大きさの水晶玉に目を向けながら呟いた 一方、少女は目を潤ませ何度も何度も魔力球に魔力を流そうと努力を続けている・・・が 「もう良い・・・」 「え・・・お父様・・・?ま、まだ希結は・・・」 「黙れ」 「・・・っ!」 希結と口にした少女が継続したいという意志を見せるとおそらくは父親であろう男はそれを一蹴し、冷酷な一言を告げる 「希結、この家に貴様のような魔力の無い出来損ないの子がいると外部に漏れるという事態はと何としてでも避けたい」 「お、お父様・・・?」 「だから今ここから貴様はこの家の子ではない・・・消えるがいい『転移』」 「待って・・・お父様──」 男が有無を言わさずに転移魔法を使うと希結の身体はこの部屋の中から消えてしまった─
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