叶わない我儘

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(9時か‥…) 瑞希は時計に目を向ける。 もっと遅い時間も覚悟していたけど、工面してくれたのか意外と早かった。 その時間まで仕事をしていようかと思っていたけど、今はミスをしないよう気をつけるのがやっとで、能率はあがらない。 『わかりました。 近くで待っていますから、終わったら連絡してください』 外で待っていることにした瑞希は、ミヤサカに返事をしてパソコンに向き直った。 それからきりのいいところで仕事を終え、オフィスを後にした。 外は日が落ちてもうだるような暑さで、寝不足の体には堪える。 (どこで待とうか……) 今7時過ぎだから、あと2時間ほど過ごせるところ。 考えた末に、瑞希は駅近くの食事もできるバーに向かった。
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