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──おい!目…開け…!いつ…寝…るん…!──
「…あれ?」
目が覚めると僕は知らない天井だった…
なんてことはなく、石で出来た天井を見ていた。
「おい!いつまで寝てるんだ!早く起きろ!お前にも仕事があるんだからな!」
「え、まずここどこですか?」
「親に向かって口答えか?奴隷のお前がよくもそんな口を聞けたなぁ…!」
バキッ!
「!?ぐぅ…」
この人いきなり顔殴ってきた!?場所聞いただけじゃないか…って親?というか奴隷?!
「まぁいい。また後で仕事をさせてやるからな!」
殴ってきた人…親?かどうかはわからないけど、お腹の周りがふくよかなおじさんは、そう言い残し、僕のことをゴミを見るような目で見たあと、去って行った
ガシャン!
何の音かと思い、何故か力の入らない体を動かして首だけを動かすと、檻のようなものにおじさんが鍵を掛けていた
「…え、結局ここどこ…?」
おじさんは去り際にもう1度、僕のことを見て、重そうな音をだす鉄の扉を閉めた。
「…痛い…」
僕は殴られた頬に手を当てる。そうすると、頬自体はそこまで痛くないものの、歯茎の方がずきずきした。口に広がる鉄の味が不快なため、数回唾を吐き出す。そうすると鉄の味はしなくなった。
ズリ…ズリ…
体に力が入らないので、1度壁際に近づき、壁に背をして起き上がる。そこで自分の体を見て、いつもとの違いに驚いた。
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