11人が本棚に入れています
本棚に追加
「…なんで?」
手と腕を見ると、痣や傷はいつもと変わらずあるものの、 腕の細さが尋常じゃない。普段はない、手の甲にも痣があり、明日学校どうやって行こう…などと考えていた。
「…とりあえず、現状確認をしないと…」
まず、部屋を見渡す。床は石で出来ているため冷たい。3面壁の様だが、1面だけ鉄格子のところがある。さっきのおじさんが鍵をかけた鉄格子だった。床の片隅には藁がかなりの量積み上がっている。そのまま上を見ても、目が覚めた時に見た石の天井。灯りは地面から2mほどの高さにある窓のようなサイズのところに鉄格子がまたはめてあり、そこから光が差し込んでいる。
「いまさらだけど…確か、僕って布団で寝てたはずじゃ…なんでこんなところに?…それは置いておこう。あとは、記憶がちゃんとあるか…」
まず、ぼくの名前は…空野 海優(うつの みゆ)
性別は男
17歳の高校2年生で、今は冬
産みの親…お父さんは産まれる前に事故死
その時からお母さんは夜に仕事をしていて、
女手一つで育てられて、小6のときにお母さんが再婚、新しいお父さんに「女みたいな名前しやがって」という理由からいつも殴られ、お母さんは見て見ぬ振り。
それのおかげで体は痣だらけ。
だけど学校には知られないように服で隠れる場所だけ。
いつも通り叩き…殴り起こされ、お母さんをそっとして、朝ごはんをつくって…学校に行って、授業はちゃんと受けて、家に帰って、父親は寝て、お母さんは仕事に行っていた。自分のご飯を作って、食べて布団で寝た…
うん、ちゃんと記憶はある。じゃあ、やっぱりなんで僕はここにいるの?
最初のコメントを投稿しよう!