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とりあえず、ここは牢屋?みたいなところだと判断出来たようで、悪いことをした覚えなど一つもない…はずの海優は脱出を試みる。が、やはり体には力が入らずに、立ち上がるのがやっとのよう。そのため、まずは少しずつ筋肉をつけるために、ゆっくりではあるが歩き始める。
ペタ…ペタ…
「歩いてわかるけど…狭いな、ここ。」
海優は壁際から反対の壁まで歩くと、7歩ほどで反対側についてしまい、仕方なく方向を変えて歩く。
2週ほどしたらもう疲れてしまい、1度休憩をとろうとすると…
ギイィ…
「おい!なにをしている!」
さっきのふくよかおじさんが僕の歩く姿を見ると、おじさんは小走りで僕に近づいてくる。
「えっ?歩いているだけですよ」
「お前はそんなことしなくていいんだ!」
ドカッ
おじさんは僕の腹に蹴りを入れると、そのまま倒れた僕の上に馬乗りになり、殴る。
顔を、何度も、何度も。
その姿を僕は、寝る前のお父さんと重ねて怖くて抵抗する気も失せてしまい、されるがままに殴られる。
「はぁ…はぁ…お前の仕事ぶりには、とても感謝している!ハハハハハ!」
おじさんは気が済んだようで、殴る手を止めると立ち上がり、また牢屋の鍵を閉めて鉄のドアの向こう側に行ってしまった。また、ひとりになった。
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