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「あいつは、止めておいた方がいいと思うよ」
「何で!?
まさか、あき姉も鳴門さま、じゃなかった、大誠さんの事が?」
あき姉は、心底嫌そうに顔をしかめる。
「まさか。
やめてよ、あんな奴。
いとことしては仲いいけど、男としては遠慮しておくわ。
彼氏だってちゃんといるんだし」
大誠さんの何がいけないんだろう。
私は、初めて感じる胸のときめきに、気分上々、やる気満々。
「あいつ、顔だけだよ、いいのは」
そんなことない!
サツマイモを手渡してくれた時の優しい微笑みは、性格が出たものに違いない。
こんな私にも、優しく微笑んで……。
そこで、私は初めてちょっと冷静になった。
そう、『こんな私』なのだ。
チビでぽっちゃり体形で、お下げメガネの地味女子高生。
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