花の色は

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もわもわーんと、頭の中で、二人を並べてみる。 かたや、爽やか選手権トップクラスのイケメン、森大誠。 かたや、完全名前負けのいけてない女子高生、吉水早百合。 だ、だめだ。 がっくりと、私はその場に崩れ落ちる。 「早百合ー? どした?」 「……現実と理想のはざまで苦しんでおります」 「あーあ、本当に大誠に惚れちゃったんだ」 「ほっ!ほれっ!」 何だか、ここ掘れワンワンみたいになってしまった。 ぼぼぼっと赤面する私に、あき姉はちょっと意地悪い笑顔を見せる。 「あらら、遅い初恋だと、反応も顕著なのねえ」 美人はいいなあ。 どんな顔してても様になるんだから。 私がやったら、ヒロインをいじめる悪役の手下その2くらいのあくどさにしかならないや。
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