花の色は

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「えー、そんなあ」 やっと遅い初恋を迎えた瞬間に、失恋だなんて。 神様は意地悪だ! あき姉は困ったように私の頭を撫でてくれた。 「さ、とりあえず、腹が減っては戦はできぬ。 おイモ、食べよ!」 でも、あき姉のお母さんが作ってくれた大学芋を、私は半分しか食べられなかった。 いつもはひと皿を完食するのに。 これが、恋の痛みってやつなのね。 初恋は大学芋の味だった。 大誠さんは、あき姉と同い年で、大学4年生。 就職先がこの近くになったので、実家を出て一人暮らしをするために、物件の下見に来ていたらしい。 それからも、学校の帰りとか、回覧板を持っていた時とか、私は無意識に彼の姿を探すようになった。
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