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やっぱりさっちゃん?
どういう意味だ?
鳴門さまは、エコバッグから転がりだして、道にデロンと鎮座したサツマイモを指した。
「サツマイモのさっちゃん」
そっちかー!
早百合のさ、じゃなくて、サツマイモのさ、だったの!?
私とサツマイモは、切っても切れない関係ってこと?
固まってしまった私に、彼はにこやかに拾ったサツマイモを渡してくれる。
「君、本当にサツマイモが好きなんだね?」
いえ、好きなのはあなたです!
もちろん、芋も好きですけど!
私が熱い眼差しを送っていると、不意に彼の動きが止まった。
「あ、ごめん、電話だ」
手刀で私に断りのジェスチャーを見せると、彼はスッと立ち上がり、ジーンズのポケットから携帯を取りだした。
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