花の色は

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「……ああ、そうだけど? うん……うん……わかった」 短いやり取りの後、鳴門さまはフッと微笑んで最後に付け加えた。 「うん、俺も好きだよ、奈津美」 好きだよ。 彼の顔が、とても優しいものになっている。 ズキッと、胸が痛む。 あれ? こんなの想定の範囲内じゃないの。 大誠さんの事は、あき姉に聞いてたんだし、彼女がいるのも知ってたし。 私は急いで転がっていた物をエコバッグに詰め込むと、立ち上がった。 早くここから離れよう。 そうだ。 私はさんざん、あき姉から聞かされていたのに、全然実感していなかったんだ。 だって、私が知っている大誠さんは、優しくサツマイモを渡してくれる笑顔だけだったから。
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