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私が恐る恐るあき姉を見上げると、にこっと笑ってくれた。
ただし、悪魔の笑み。
「任せなさい。
早百合は、見違えるような美人になるわよ」
「……じゃあ、よろしくお願いします」
「ただし!」
ピッと立てた人差し指に目をやると、あき姉の美しい顔が、ずいっと近づいた。
「私の言う事をすべて守ること」
「はあ」
ぼんやり頷きながら、つい芋けんぴの袋に手を伸ばすと、再び払われる。
「まず、早百合は芋断ちね!」
えー、そんな殺生な。
こうして、美人による、美人になるための、地獄のレッスンが始まった。
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