とある女子のつぶやきによる序章

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お父さんは、娘の私から見ても、かなりかっこいいと思う。 何とかって美形の俳優に似てて、甘い感じの整った顔。 無口で愛想は良くないんだけど。 お母さんは、ごくごくフツーの女性。 太ってはいないけど、ちょっとふっくらした平均的な日本人体型の日本人顔。 そんな二人が離婚した時、お母さんの方のお祖母ちゃんが言った言葉が忘れられない。 「だから結婚に反対したんだよ。 あんな美男子、お前と釣り合うわけがないって。 美形は美形同士でないと、おかしくなってしまうんだよ」 美形は美形同士。 ああ、美女と野獣なんて、ありえないんだ、と思った。 美人でないと、私は土俵にすら上がれない。 彼と、未来へのラブストーリーを作っていくことが出来ないんだ。 だから、私は綺麗になる。
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