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がっくりと、その場に崩れ落ちる私。
まだ、全然目標を達成してないのに、彼の視界に入ることも出来なくなるなんて。
体重は3キロ落ちた。
化学の成績は3から4になった(5段階で)。
進級のタイミングに合わせて、思い切ってコンタクトにもした。
頑張ってるのに。
「……悔しい」
思わぬ言葉が、私の口をついて出た。
そうだ、悔しいんだ。
大誠さんの射程範囲に食い込むこと。
そのために頑張ってきたのに、不戦敗だなんて。
「ここで、止める?」
私の隣にしゃがみ込んだあき姉が、顔をのぞきこんで言った。
「止めてもいいよ?」
会社帰りのスーツ姿のあき姉を、私はじっと見返した。
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