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体重は減ったものの、気分的に重い腰をぶら下げて、私は教室から出た。
廊下に立っていたのは、そこそこ背が高く、そこそこ顔もいい、ミスターそこそこ。
「私が吉水ですが、何か?」
誰の名前を出されるのか、じっと待つ私に、そこそこ君は、あ、違った丸君は(それも違う!)困ったように頭をかいた。
「ごめん、ちょっと向こうまで来てもらってもいいかな?」
そう言って連れてこられたのは、定番の裏庭。
橋渡しを頼むのに、どんだけ恥ずかしがりなんだよ、丸君。
私がじっと彼を見ると、その顔はちょっと赤くなっていた。
「よ、吉水さんって彼氏、いるのかな?」
はあ?
何の冗談だ。
私に彼氏なんて金字塔を、建てられるわけがなかろうが!
「……いないけど」
「じゃあ、ぼ、僕と付き合って下さい」
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