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それからも時々、色んな男子が私に関わってくるようになった。
今までの無視っぷりは、どこへやら。
「吉水さん、一緒に帰ろう」
あなたのことは知らないので、ついて行くわけにはいきません。
「カラオケ行くんだけど、一緒に行かない?」
私は絶対音感があって、ずれた音程で歌われるのは非常に苦痛なんで、お断りします。
「駅前に新しいドーナツ屋が出来たんだけど、一緒にどう?」
まさに、お菓子で釣るパターン!
世の中には、暇な人、もしくは奇特な人が多いものだ。
もし私が、本当に美人に生まれ変わっていたなら、全てのお誘いを、
「あーら、みんな、やっと私の魅力に気が付いたのね、おーほっほっほ」
と、高飛車になるところだろう。
だけど、実際のところ、現在の私はそれほど変わったわけじゃないんだ。
体重も、ダイエット広告みたいに劇的に減ったわけじゃないし、直毛の黒髪が波打つ巻き毛になったわけでもない。
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