瀬をはやみ

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ことみとあき姉は、 「そんなことない、変わったって!」 と慰めてくれるけど、自分では全然納得いってないんだ。 そんなある日の放課後。 私は大好きな漫画の新刊を買うために、本屋に来ていた。 ずっと待っていたので、楽しみで楽しみで、表紙を撫でながら歩いていると、棚の陰から出てきた人とぶつかってしまった。 「てっ」 「あっ」 ああ、大誠さんとの出会いの時みたいだな、と思いながら、しりもちをついた体勢から起き上がろうとすると、すっと目の前に手を差し出された。 「大丈夫?」 「ああ、すみませんね、どうもどうも」 前よりも腰が軽い分、すっと立ち上がった私は、落としてしまったコミックを拾おうとした。 なぜかクスクスと笑いながら、私より早くそれを拾ってくれたのは、同じ高校の制服の男子だった。 細身だけどすらっと背が高く、軽くウェーブがかかったこげ茶色の髪の下に、整った顔が笑顔になって私を見ていた。
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