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式は滞りなく終わり、後はひたすら、名残を惜しむ写真大会。
中には、宝塚歌劇団みたいな男装の麗人ぽい人もいるし、なぜか着ぐるみ姿の人もいる。
でもやっぱり、女子は袴姿と、振袖の人であふれていた。
「さゆりん!」
周りが思わず振り返るくらいの大声がして、途端にドンッと私の背中に重みが加えられる。
「重い!
鈴宮っ。
降りて!」
「さゆりん、今日はまた、一段とキレイだね!」
しつこく私に乗りかかりながら、ニコニコと言うのは、言わずと知れた鈴宮だ。
宣言通り、私と同じ大学に見事に合格した彼も、もうすぐ4年生だ。
「相変わらず、早百合が好きだねえ、海斗君」
と、千里が呆れ半分に笑う。
「ったりめーじゃん。
俺の愛は、納豆のようにねばっこく、カレー臭のようにしつこいんだよ」
どれも、匂いがすごそうだ。
「なあ、さゆりん、やっぱり俺にしとけって。
あんなおっさんに引き渡すのは、もったいなさすぎだって」
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