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もったいなくなんかないし。
むしろ、大誠さんが私にはもったいないくらいだし。
私が内心で文句を言っていると、鈴宮はじっと私を見てきた。
大学生になってから、彼は少年ぽさが抜けて、精悍な顔つきになってきたみたいだ。
もともとの美形に更に磨きがかかって、第二の”静様”状態になっている。
ちなみに、おおもとの神崎先輩は、卒業後はあっさりと家元の仕事を手伝っているらしい。
しかし、相変わらずだなあ。
その気がなくても、その美しい顔で凝視されたら、思わずドキドキしてしまう。
「早百合はもう、あいつに手ぇ出された?」
「は?」
私がキョトンとしていると、彼の眉間にしわが寄り始める。
「まさか、もうあいつ、食っちゃったのか!?
あーんなことや、こーんなこととか、その他色々、致してしまったわけ!?」
あーんなことやこーんなこと……。
私の脳内メモリアルが、くるくると稼働し始める。
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