瀬をはやみ

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拍子抜けしたように言われて、私は顔だけ振り返った。 不満そうに唇をとがらせて、男子が首をかしげている。 イケメンさんは、そんな表情もきれいなんですね。 性格は難ありそうだけど。 私はため息をついて、ぶっきらぼうにお礼を言う。 「君さ、同じ高校の子、だよね? 俺のこと、知らない?」 「は? 存じ上げませんが、同じクラスでしたっけ?」 「嘘だろ!?」 何だか、私がものすごく非常識みたいなリアクションをされてるけれど、知らないものは知らない。 「2年1組の鈴宮海斗(すずみやかいと)って、有名でしょ!?」 そんな、悲鳴のような声で言われましても、知るか! だいたい、下級生じゃん。 何だか芸名みたいな名前だな。
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