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「あんたたち、痴話げんかはほかでやりなよ」
と千里がげんなりした顔をする。
「なっ、痴話げんかなんかじゃ!」
「そうだよなあ、俺たちってベストカップルだよなあ」
勝手に脳内で変換するな!
鈴宮が腕を伸ばして、私の肩を抱いてきた。
耳元で囁く声は、どこまで本気なのかわからなかった。
「早百合、あいつ、絶対変態チックだろ?
すげーねちっこそうだし。
俺なら、絶対優しくするからさ。
だから、そろそろ俺に」
「しないから」
不意に声がしたかと思うと、私の体はぐいと鈴宮とは反対側に引き寄せられた。
「ちょっと目を離すと、これだから、お前は油断できないんだよ」
眉間に深くしわを寄せて、大誠さんが私を見下ろしていた。
「大誠さん!」
「何しに来てんだよ、部外者!」
ぎゃあぎゃあとかみつく鈴宮。
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