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「そ、そうなの?」
「俺は最初からその覚悟だって、言ったはずだけど」
あんなの、言葉の綾だとばかり思っていた。
まさか、本気のものだったとは。
「早百合、俺が本気だって思ってなかったんだ?」
大誠さんの目が、悲し気に伏せられる。
ずきんと、胸の奥が痛くなった。
「違っ……」
「気まぐれだと思ってた?
もしかして、早百合もそんなに真剣じゃないとか?」
「そんな!」
私は必死で、彼の腕にすがりついた。
完全に、周りは見えなくなっていた。
「わ、私はいつだって真剣にあなたの事を見ています!
後にも先にも、大誠さんだけです!」
何て言ったって、この人は初恋の相手でもある。
この先、彼以上に誰かを好きになるとも思えない。
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