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そうこうする間も、脱がそうとする彼の手と、それを阻む私の手の攻防戦は続いていた。
こ、こんなお天道様の真下で、そんな破廉恥なことができるもんか!
思い余った私は、それこそ文字通り、頭を使った。
ゴツッ!
「……っつー」
私の必殺の頭突きを受けて、大誠さんはおでこを押さえて悶絶する。
「ご、ごめんなさい!」
慌てて起き上がると、乱れかけていた服を整える。
私の中で彼を心配する要素が今一つなのは、仕方ないと思うけど。
「大丈夫、ですか?」
ベッドから降りて、うずくまる彼をのぞきこむと、恨みがましい横目で見られた。
「……まじで、痛いんだけど」
「すみません」
ハーッと長いため息の後、大誠さんはごろんとベッドに仰向けになった。
まだおでこを押さえたままだ。
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