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私はそっと彼の手を取ると、おでこを見せてもらった。
赤くなっている。
「すみません、手加減なしだったので」
湿布を取ってこようとすると、彼の手がポンポンと隣をたたいた。
「大丈夫だから。
もう、何もしないから、ここにいて」
さすがにやりすぎたかなと、言われるままにそっと隣に横たわる。
「まだ、痛いですよね?」
「……いや、頭が冷えた。
ごめん、がっつきすぎたな、俺」
自嘲気味の声に、私は首を振る。
ちょっとだけ、怖かったけど、それは彼の勢いに飲まれそうな自分がいたから。
このまま、抱かれてもいいと思ってしまったのが、今までの自分じゃないみたいで、少し怖かったんだ。
「無理やりとか、ないよなー」
基本的に、彼はとても優しい。
前に、私が少し怖い思いをしているから、余計にだと思う。
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